市会議員「ひろみだより」

日本共産党生駒市議会議員 竹内ひろみ活動報告

生駒市教育委員会へ申し入れ

安倍内閣の戦争する国づくりの一環として、日本が行った侵略戦争を肯定する育鵬社版教科書などの採択が全国に拡がっています。この動きに乗らないよう、教育委員会に申し入れました。



 憲法九条の会・生駒」が生駒市教育委員会へ申し入れ       2015,6,3

 2015年6月3日、憲法九条の会・生駒は生駒市教育委員会に対し、「中学校教科書採択などについての申し入れ」(↓下記参照)を行い、会談しました。市教委側は中田好昭新教育長が出席、九条の会側は5名が出席、また竹内ひろみ市議が同席しました。

1. 中学校教科書の公正な採択について
 (1) 教科書採択の際に、現場の先生方がじっくり教科書見本を手にとって、調査研究できる時間を保障してください、に関しては、


そのために特定の先生を調査員として指名して教科書を見てもらっている、調査員から教育委員会へ報告があり、市民からの意見も考慮しながら8月の会議で決まる、との答えでした。


 「九条の会・生駒」としては、日本の侵略戦争を美化したり、憲法「改正」を正当化する教科書は採択しないよう、申し入れましたが、特にコメントはありませんでした。

 (2) 教科書採択のための教育委員会会議には、希望者が全員傍聴できるよう配慮してください、に関しては、

会議室のスペースのことがあるので、と答えを濁しました。
また、市広報「いこまち」に掲載された「教科書展示会の開催」の記事は、小さくて目立たない。市民によく知ってもらうためには、自治会の回覧に入れてもらうようなことはできないか、に関しては、検討する、との答えでした。


 (3) 教科書展示がされる図書会館2階の視聴覚室は、土曜、日曜は子どもたちの自習活動と重なり、人がいっぱいで、室内に教科書を閲覧できる場所がなく、昨年は廊下のロビーのソファまで本を運んで閲覧する事態となった。また対応した職員も、教育委員会関係者ではなく、教科書展示の趣旨を理解されていなかった。などについては、


曜日によっては人が多い日、少ない日があって難しいが、多い日は他の会議室が空いていないか検討する、との答えでした。

2.教育委員会の「独立性」について
 地教行法「改正」によって、首長の権限が強くなり“教育の政治からの独立”が危うくならないか、の危惧に関する申し入れについては、


申し入れ書の「文科省通知1から6」については承知している。この4月に市長も教育長も新しくなったが、まだ「教育の大綱」も出来ていない。6月の市議会が終わってから、やっと1回目の総合教育会議を開く。市長のマニフェストなどを見ても、新市長が強権的にやっていくとは思えない。その点はあまり危惧していない。教育委員会はあくまで執行機関なので、教育の中立性は保っていくつもりだ。これまでの制度は保っていきたい。などの答えでした。

 あと、参加者から、前回の教科書採択で東大阪市が「育鵬社版」公民教科書を採用したこと、全国におけるその採用率が増加しつつあることなどが話され、奈良県下では採用することのないよう、強い要望が出されました。

                   以上 (文責 池田順作)




 『以下↓申し入れ内容』

                                                           平成27年6月3日
生駒市教育委員会
教育長 中田 好昭 様           憲法九条の会・生駒
                       代表  長尾 強志
          

        中学校教科書採択などについての申し入れ

 生駒市の教育振興のために日頃、貴委員会が尽力されていることに敬意を表します。
 さて、今年度は中学校教科書採択の年度に当たります。また、教育委員会制度が変えられて初めての年度になります。こうした状況に鑑み、下記の2点について貴委員会に申し入れるものです。

1.中学校教科書の公正な採択について
(1)教科書採択にあっては、公正かつ民主的に、学校現場の先生方や保護者、市民の意見を尊重し、本市の子どもたちにふさわしい教科書を採択していただきたいと思います。そのためには、現場の先生方がじっくり教科書見本を手にとって調査研究できる時間を保障して下さい。また、市民からの意見についても審議の中で公表し、生かされるよう要望します。


 とくに社会科(歴史・公民)教科書については、日本の侵略戦争を美化したり、憲法「改正」を正当化する教科書は採択しないでください。戦後日本の出発点ともいうべき日本国憲法の精神を含め、戦後の世界秩序を否定するような間違った歴史認識に基づく教科書は、未来を担う子どもの教育には不適切であり、世界でも通用しません。


(2)教科書採択のための教育委員会会議は各方面の関心が高く、保護者・市民はじめ教科書会社の関係者など多数が傍聴を希望します。傍聴希望者が全員傍聴できるよう配慮下さい。


(3)教科書展示について、市民だよりなどで市民への周知徹底をお願いします。また、昨年の申し入れに対し、図書会館1階に展示会場の案内がされるなどの改善が見られましたが、土曜、日曜については、子どもたちの自習活動と重なり、教科書閲覧の場所が確保されず、ソファーで閲覧するという事態になりました。また対応した職員も、教育委員会関係者でなく、趣旨を理解されていませんでした。これでは、何のための教科書展示か分かりません。


 今年の展示については、趣旨を当該職員に徹底され、土曜、日曜については、子どもたちの自習活動と競合する場合には、別室を用意するよう要望します。

2.教育委員会の「独立性」について
   私たちは、地教行法「改正」で“教育の政治からの独立”が危うくならないか危惧をもっています。とりわけ、これまで教育委員の互選で教育委員長を選出していたのを、首長の任命する教育長にまとめたこと、また首長を含めた総合教育会議がもたれること、首長が教育の大綱を作成するなど、政治の介入によって教育がゆがめられるのではないかと危惧しております。
しかし、昨年、文科省が次のような「通知」を出しました。              


1 首長が、教育委員会と調整のついていない事項を大綱に書いても、教育委員会はそれを尊重する義務はない。


2 地教行法第21条に定められた教育に関する事務(学校などの設置・管理、教職員の人事、教育課程や学習指導、教科書など)の執行権限は引き続き教育委員会にある。


3 総合教育会議は首長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議・調整の場であり、地方自治法上の付属機関(審議会や調査会など)ではない。


4 教育委員会が所管する事務の重要事項のすべてを総合教育会議で協議し、調整するものではない。


5 総合教育会議では、教育委員会制度を設けた趣旨に鑑み、教科書採択、個別の教職員人事等、とくに政治的中立性の要請が高い事項については、協議題とすべきでない。


6 総合教育会議における議論を公開し、住民への説明責任を果たす。会議は原則として公開する。
このように、「独立性」を保つ上で、重要な内容になっていますが、この点での教育委員会のお考えをお聞かせ下さい。

 最後に、教育の政治からの独立、教育の地方分権の原則に立ち、本市の子どもたちの教育のために、貴委員会の活動のさらなる発展を期待し、激励の言葉をおくります。
                                                          以上


みなさんへお願い 


 6月24日「憲法九条の会・生駒」などの有志17名が図書会館に集合し、展示中の中学校教科書を閲覧し、あと意見交換しました。閲覧は全教科にわたりましたが、特に育鵬社自由社の「公民」「歴史」については、憲法の制定、第9条と自衛隊、平和と防衛、日米安保条約、沖縄と基地、国旗・国歌などについての記述が、安倍政権の立場が色濃く表現されていることがわかりました。この日、1日では充分に教科書全体に目を通すことができなかったので、各自が後日再び閲覧に来て、意見書(アンケート用紙)を書いて教育委員会に提出することを確認しました。また、8月の教科書採択会議を初め、教科書に関する教育委員会の会議を傍聴することも申し合わせました。日程は、後日連絡します。
みなさんもぜひ図書会館2Fの視聴覚室に閲覧に行って、アンケートを書き、回収箱に入れてください。閲覧期間は6月19日〜7月17日で、時間は9:30〜17:00です。教科書検定の現場では、「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」などという理由で、記述内容が書きかえられるなど、安倍政権が戦争する国づくりの一環として、教育内容の軍国主義化を進めており、育鵬社自由社の採用拡大が狙われている今、教育委員会に市民の意見を集中する活動は特に重要です。みなさんのご協力をお願いします。