市会議員「ひろみだより」

日本共産党生駒市議会議員 竹内ひろみ活動報告

2016/4月号

[季節の1枚]

「保育園落ちた、日本死ね」と若いママさんたちが怒り、
震災・原発被災者は生活苦、高齢者は年金削減に怒る一方
米軍「思いやり予算」のべ7兆円!   

日米安保条約によって、日本に米軍基地があり、米兵が駐留する、その米兵とその妻・子どもが生活する住宅(戸建て)は、米軍「思いやり予算」という日本のカネで建設され、2015年度までの37年間で総戸数は1万1383戸にのぼることが防衛省資料で判明しました。

安倍政権は今後さらに、神奈川県の池子住宅地区に米軍家族住宅171戸を、岩国市内に262戸を建設する予定です。

家族住宅1戸あたりの建設費用は、上級将校住宅で9650万円(建物のみ、地価含まず、建物の面積約245?)、普通の兵士でも6210万円(約152?)という豪華なものです。これらの住宅の光熱水費まで日本が負担しています。
米軍家族住宅の建設費、面積(1戸あたり)

建設費(万円) 面積(平方メートル)
1上級将校住宅 9650 約245
2上級下士官住宅 9000 約217
3家族住宅 6360 約159
4家族住宅 6210 約152
※1〜3は寝室4、4は寝室3

画像はしんぶん赤旗より

この37年間で米軍「思いやり予算」は合計約7兆円に達しますが、問題は日米安保条約上は何ら支払い義務がないのに、日本が一方的に支払い続けている点です。同じアメリカの同盟国でも、北大西洋条約機構(NATO)諸国で、米軍家族住宅まで建設する国は1つもありません。

宅建設費どころか、米軍基地で働く日本人従業員の給与の全額、基地内の施設建設費、基地内の光熱水費、訓練移転費まで、日本が負担しています。これらの全体が「思いやり予算」です。

画像はこちらから
安保条約に基づいて締結された日米地位協定24条には、「基地における米軍の活動経費は基本的に米側が負担する」と明記されていますが、1978年に当時の金丸信防衛庁長官が「基本的に」を拡大解釈し、「思いやりの心だ」と述べて初めて62億円を予算化(基地従業員の福利厚生費として)したことから、「思いやり予算」の名がつきました。
日本がこういう態度をとると、米側は住宅建設や娯楽施設を含め、次から次へ要求をエスカレートさせました。要求があまりに拡大するので、87年に労務費や手当の支払いを定めた5年間の「特別協定」を締結、政府はこれは「暫定的な一時的措置」と説明していましたが、この5年が終わりかけると米側はさらに次の協定を要求、結局協定は延長に延長を重ね、こんにちに至っています。

まったく日本はアメリカの植民地でしょうか? 私たちの税金が米軍家族にまで湯水のごとく注ぎ込まれ、そのいっぽうで日本の若いママさんは保育園がなくて困っており、保育士や介護福祉士も低賃金で離職者が絶えず、非正規労働者は低賃金で結婚も子育てもできず、高齢者は年金切り下げで生活に困っています。いったい政府はどこを向いて政治をしているのか? 

米軍と大企業には手厚く、国民に冷たい安倍政権には、迫る参院選で野党が団結して統一候補を出し、自民党に打ち勝って、暴走にストップをかける以外に道はありません。


奈良市民連合」結成集会大成功、ぜひ野党統一候補を!
 
3月18日に安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合・奈良(略称:奈良市民連合)結成集会が文化会館で行われました。小雨降る中、500人以上の市民が会場に詰めかけ、立ち見と外の廊下も人が溢れるほどの大盛況でした。市民の“奈良でも野党共闘で戦争法廃止!”の痛切な願いを反映したものと思われます。

よびかけ人を代表して浅野詠子さん(戦争をさせない奈良千人委員会)と溝川悠介さん(憲法九条守れ!奈良県共同センター)が挨拶し、戦争法、秘密保護法、明文改憲策動、沖縄辺野古基地建設、原発再稼働、マスコミ統制、TPPなどアベ政治の暴走の数々に今立ち上がらなければとんでもないことになる、野党は共闘して参議院で「アベ政治」を変えようと訴えられました。関西シールズと「ママの会・奈良」代表からの連帯の挨拶に続いて、戦争をさせない奈良千人委員会の池本昌弘さんから経過報
告と理念、方針、役員、などを含む設立趣意書の提案があり、満場の拍手で承認され、ここに「奈良市民連合」は正式に船出をしました。
引き続いて、共同代表の浅野詠子、溝川悠介両氏から「参議院議員選挙に向けた野党共闘について(要請)」を出席した民主党日本共産党社民党新社会党の各代表へ手渡され、参議院選挙における補者の統一化を図ることを要請されました。

要請書 記・・・・1戦争法廃止を求め2千万統一署名の成功に向けた協力 2安全保障関連法(戦争法)の廃止 3立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む 4個人の尊厳を擁護する政治の実現・・・・以上に向けた野党共闘を追求し、これを公約の基準とし、参議院選挙における候補者の統一化を図ること。 以上

それを受けて、細野日本共産党奈良県委員長、樹杉社会民主党奈良県連合会代表、稲葉新社会党奈良県本部委員長、前川民主党奈良県連合代表からそれぞれ5分間の野党共闘への力強いメッセージをいただき、大きな拍手で野党と市民の連帯が確認されました。
続いて、元陸上自衛隊のレンジャー隊員の井筒高雄さんから「戦争法と自衛隊」の特別講演がありました。最後に『団結ガンバロー』を3唱しました。
(溝川悠介記)


参院選1人区での野党統一候補擁立進む32ある1人区のうち、9選挙区で実現(3/21現在)

候補者 備考
青森 田名部匡代 民主党公認
宮城 桜井 充 民主党公認(現職)
長野 杉尾 秀哉 民主党公認
山梨 宮沢 由佳 民主党公認
徳島・高知 大西 聡 無所属
長崎 西岡 秀子 民主党公認
宮崎 読谷山洋司 無所属
熊本 あべ 広美 無所属
沖縄イハ 洋一オール沖縄
衆院補選
北海道5区  池田まき  無所属

画像はしんぶん赤旗より

 (投稿)  姜尚中(カンサンジュン)、漱石を語る  

かねてから希望していた、姜尚中さんの講演を聞いた。
彼15歳のときに、今年没後100年を迎えた夏目漱石の『こころ』に大いなる琴線がふれて以来、人生の折々に彼の指し示すことばの数々に力を得てきた。
自らの体験から、最新作『漱石のことば』を出版した。
1900年、漱石は世界で最も革新的な国・イギリスへ留学し、資本主義のしくみと現状に失望した。
 人間は裸眼で自身を見ることができない、という身体的制限がありながら、その身体以上の欲求、過剰な富を求める、それは悪である。
格差と貧困、過剰・過大⇔過小・飢餓を生み出す中では、真中で生きる(ふつうに生活する)困難、怨嗟、確執、それらの問題を漱石は小説に扱っている。
100年前にすでに資本主義の悲観的なしくみを見抜いていた漱石は、神経症や持病とたたかいながらも、どう生きるかを模索し、問いかけ、教えつつ、生きぬいた。
彼のことばの数々から学び、受け継ぎ、未来を築くことの大切さを、姜さんは聴衆に語った。
                     (池田弘子)